植物博士の文章錬成所

小説で植物の情報を伝えていく!(それ以外の記事が立つこともあります)

40.ブラジルナッツ

 少女剣士は独り旅をしていた。星形のかわいい板に乗って空をサーフィンするので、徒歩よりは速くてもやはり時間はかかった。
「ししょー…」
 だが、沙漠以外の国中を放浪して分かった事は、友達という友達は自身も一時期世話になった街長に囚われ、探し人はこの国に居ないという事だった。
(かすかだけど、僕達の世界と同じ“色”がする…)
 少女剣士は地元民が「禁忌の森」と呼んで忌む場所に一旦落ち着いた。
今や誰も近寄らず、木々は遥か空高くまで生い茂っている。時折確認できる掌大の果実はぶ厚い木質製で、落ちた所でヒビが入るだけだ。時折、動物がかじったのか、中に実の詰まっている様子を見かける事もあった。ちなみにとても美味しいが、あまり沢山は食べられないので要注意だ。
(アイレクスは…“皇后”は「小城」に、“宰相”は「家臣」に、
 “道化師”は「主」に執着するって言ってた…これは“皇后”の計画?)
此処が一番落ち着くだろうのに、何故「貴族」共は至福の花園(メサイアシェオール)の住民に頭を垂れてまで城住まいに執心するのか。
かつて師匠とイチイの世界に飛び込んだ自分には、分からない。
(うーん、まずは師匠とアイレクスを探そう。)
 今は遠き砂塵の世界に寄りかかる思考を振り切って、手に入れた地図をもう一度見た。
 この世界には、2つの国がある。両国を隔てる黒い境界線「ダンベルロット山」を中央に、白と、緑に囲まれた茶色に分かれている。
 国という概念には未だ慣れないが、おそらく自分の知る世界で言う“区画”の様なもので、白に塗られた隣国はとても寒い機械の国だという。
 きっと、師匠には住みやすい世界だろう。
「よし!」
 少女剣士は流れ星に乗って、世界の南と北を繋ぐ空を渡った。
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 テレビが役に立ったなど何年ぶりでしょうか。曰く、ボリビアではこのブラジルナッツを生産・輸出しており、50mにもおよぶ木の枝に実が付いている様子、落ちてヒビの入った実に掌大の種の沢山詰まっている様子が映されていました。それにしても熱帯という所は、なんでもビッグで不思議です…ブラジルナッツは美味しいですが、2~3粒/日摂取でガマンしないと過剰摂取で本当に具合悪くなるのだとか。食べ過ぎに気をつけましょう。
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参考ホームページ
・wilipedia
・怪魚ハンターが行く!「アマゾンの古代魚ピラルクー」
・写真お借りしました。ありがとうございます。
https://www.photo-ac.com/profile/2176096
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CAST
・ながれぼしのリーアン