植物博士の文章錬成所

小説で植物の情報を伝えていく!(それ以外の記事が立つこともあります)

8.デルフィニウム

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※完全版はこちら→https://note.com/artcielinnature/m/m080ce8e63870

※写真お借りしました;https://www.photo-ac.com/profile/1043863

 

花屋さんで、綺麗なお花を見つけました。
華奢な緑に青から白、花が鈴なりです。
しゃらしゃらと…音は、しません。
「きれい…」
「なんか動物に似てませんか? イルカかな、ツバメかな…??」
これはデルフィニウムというそうです。
温かい所で育つ花で、色は青色から紫、ピンクがあります。草丈はーー最近は背の低い品種もありますがーー1m以上に及び、切り花として使う…そうです。
また、デルフィニウムの咲く季節は初夏なので、初夏の花嫁はそれだけで幸せだそうです。王国の花嫁は、結婚する前に指定された青い物を4つ集めないといけないそうですが、その内の1つがデルフィニウムで賄えるからだとか。
「魔法で青空を写した様な花だ。」
従者…兼、友達のエミリーとクレアと3人分買ってきて、夫に申しておきましたので、今日のテーブルの主役はこの小さな鉢植えです。
「こんなに華奢だと、知らぬ間に手折ってしまう…」
夫の感想は詩的で好きなんですけど、今日はこんな感じでした。
夫に淹れて頂いた紅茶と共にお花と日の入りを愛でる夕食は穏やかで、素敵な時間でした。
ところで、夫は圧倒的ダージリン派ですが、今日は私好みのアールグレイでした。喜んで頂けた様で、何よりです!
「黄昏の光よりも、月夜の方が似合うな。」
粗方食べ終わった頃に花を少し採って、私の米神辺りに挿してみたのと、
「この青色を何処かに写せないか?」
いずれ枯れるデルフィニウムの空色を残せないかとお願いされたのが良い証拠です…
「それで、結局なにを錬金したのですか?」
「壁紙にしました。部屋の天井か、寝台に貼ろうと思います。」
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デルフィニウム多年草だそうですが、日本だと高温多湿で枯れる可能性の方が高く一年草扱いです。
これこそ水耕栽培で愛でたい植物なのかも?
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参考ホームページ
https://horti.jp/6193
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CAST
・レコア=メイデンヘア
・エミリー=メイデンヘア
・クレア=クリーバー
・ロンド=メイデンヘア